四谷四丁目HP作成委員会
Copyright(C) 2007 Yotsuya-Yonchoume All Rights Reserved.
   トップ > 特集(文化部)




No.2
2014/7/10
発行責任者
四谷四丁目
文化部

 四谷四丁目の名所旧跡の一つに『四谷大木戸』があります。大木戸とは、江戸時代、江戸から地方に向う 主要街道である五街道(東海道・日光街道・奥州街道・中山道・甲州街道)に設けられた検問所のことです。 因みに見附は城内へ入る検問所、大木戸は、江戸市街地へ入る検問所になります。 『四谷大木戸』は、1616 年 (元和 2 年)に江戸幕府により、甲州街道の江戸の出入り口の関門として設けられました。

〜『四谷大木戸』は、江戸時代、甲州方面の敵から守る為の前線でした〜
もともと『四谷大木戸は、1590 年(天正 18 年)に徳川家康が、江 戸入府にあたり、家臣の内藤清成 (信濃高遠藩内藤家初代)に江戸 城を甲州方面からの敵から守る為 に、現在の大宗寺付近に布陣させ たのが始まりと言われております。 その後、幕府は1616年(元和2年) に内藤氏の陣を廃止して『四谷大 木戸』を設けました。この年は、 大坂夏の陣で、豊臣氏が滅びた翌 年でもあり、その残党の侵入を防 ぐ目的でもありました。左図を見 ると、中央に石垣が築かれ、向っ て右手の内藤新宿側には石畳が 敷かれています。右手奥には、玉 川上水の流れと水番所(みずばん しょ)と思われる建物が見えます。 当時、江戸市中では、町角に番小 屋を置き、木戸を作って悪者の侵 入を防いでいました。それに対し て江戸に入る街道の入口には、大 木戸を設け、いわゆる「入り鉄砲 に出女江戸幕府が諸大名の謀反 を警戒して設けていた諸街道の関所 で、鉄砲の江戸への持ち込みと、江 戸に住まわせた諸大名の妻女が関 外に出るのを厳しく取り締まった事 を取り締まったのでありました。


〜『四谷大木戸』は、昔も今も庶民(住民)への水の供給の重要な拠点となっています〜
江戸時代の初めまで、四谷周辺の南北が谷になっており、 一本道であった為、番小屋をおいて旅人や荷物を調べて いました。突棒(つくぼう)・刺股(さすまた) ・もじりな どを置き、門番が警護をしていましたが、その後は太平 の世が続き、徳川安泰の見通しがついた事や町の費用が かさむなどの理由から、1792 年(寛政 4 年)に廃止となり、 木戸が取り壊され、石垣だけが残りました。1876 年(明治 9 年)には、交通に支障をきたすようになった為、石垣も撤去 され、現在では何も残っていません。四谷地域センター内に 『四谷大木戸跡』の記念碑があります。これは昭和34年、新 宿通りの地下鉄丸の内線の開通工事の現場から発見され た旧玉川上水の石樋(いしどい)を使って作られたものだそ うです。また『四谷大木戸には、1653 年(承応 2 年)に設 置された、玉川上水の江戸の町への終着点でもある、水番 所(みずばんしょ)がありました。多摩川の羽村から取水さ れた水は、開渠(かいきょ)(ふたをしていない水路⇔暗 渠)のままここまできて、そこから先は、地下に埋設さ れた木製または石造りの樋(とい)により、各地に配水 されていました。水番所では毎日時刻を決めて、水位を 計測し、羽村の取水口と連絡を取り合って水量の調節を 行っていました。現在、水番所のあった所には、東京都水 道局新宿営業所があり、『四谷大木戸』は昔も今も庶民(住 民)への水の供給の重要な拠点になっています。四谷地域 センター内には、玉川上水水番所跡碑『水道碑記』があり ます。東京都指定有形文化財(古文書)にもなっていま す。玉川上水開削の由来を記した記念碑で、1895 年(明 治 28 年)に石碑が建てられました。高さは 4.6 メートル にもおよぶ大碑で、碑文は漢文です。玉川上水建設の理 由や、請け負った玉川兄弟の功績が記されています。因み に 1699 年(元禄 12 年)には『四谷大木戸』の西に甲州街 道最初の宿場となる内藤新宿が開設されています。明治時 代に『四谷大木戸』は完全に取り壊されましたが、大木 戸がなくなった後も『四谷大木戸』の名は、多くの人々に 語り継がれてきました。現在では、大木戸多満川さん、四谷大木戸藪さん、四谷大木戸郵便局、新宿御苑大木戸門、大木戸児童遊園、大木戸ひろば、大木戸こども園、大木戸ガーデン等、お店や建物、施設、 イベントなどに名を残すのみとなりましたが、是非とも後世に残したい名前の一つであります。 尚、上記内容は四谷四丁目ホームページにも掲載しております。アクセスは下記まで。 http://www.yotsuya4.com または「四谷四丁目町会」で検索して下さい。

参考文献 ・安本直弘著「四谷散歩」他

第一回特集「四谷のお祭り」はこちらへ

[編集・構成:宮内  監修:四谷四丁目文化部]  Copyright(C) 2007 Yotsuya-Yonchoume All Rights Reserved.