四谷四丁目HP作成委員会
Copyright(C) 2007 Yotsuya-Yonchoume All Rights Reserved.
   トップ > 特集







「親戚が、戦前、四谷三栄町に住んでいました。その親戚の、大正〜昭和初期の、四谷関連の写真が、かなりあります。 
このような、調査は、現地の、事情をご存知のかたがたに、お聞きすることが必須のようです。
なにか、ご教示賜りますれば、幸甚に存じます。」



こんなメールが、セピア色の古い写真と共に当町会宛に届きました。

添付の写真には小学校の校庭においてボーイスカウトのような格好の少年達が行進の練習をしているような風景が写っていました。 
ここに写っている校舎が四谷のどの小学校であるかご存知でしょうか、とのメールでした。


山本様からの添付写真

早速この校舎の特徴を調べてみました。 
窓の建付けや、職員室など、四谷第四小学校によく似ていますが、すこし違う部分もあるようです。
親戚が四谷三栄町にお住まいだったとの事で、その学区である四谷第三小学校が有力かと思い、地元の知り合いに写真と共に問い合わせてみました。
予想はまさに的中で、戦後建て替えになる以前の古い校舎のようです。 今は統廃合の影響で学校そのものが無くなってしまい、その跡地には四谷の新しいランドマークでる「コモレ四谷」が鎮座しています。
戦前よりそこには四谷第三小学校があり、校舎は空襲を免れ、昭和55年には新校舎への改築しています。


四谷第三小学校旧校舎


写真の年代は第二次世界大戦前、1933年頃のもので、「四谷皇国少年団」というボーイスカウトのような格好をした少年団による行進風景でした。
ボーイスカウトの歴史を見てみると、ボーイスカウトの前身である「大日本少年団連盟」というものがあり、その団体ができる以前から各地に様々な少年団があり、政府がそれを統合したと見られます。 
これもおそらくはその一つかと思われます。


山本様からの添付写真

この機会に我々は四谷におけるボーイスカウトの活動と、その関わりを調べてみることにしました。



ボーイスカウトとは?

健全な青少年育成を目指した 世界的な社会教育運動です。
活動的で自立した青少年を育てる、世界的な社会 教育運動のひとつです。
少年たちの好奇心や探究心にこたえる活動をとおして、心身ともにバランスの取れた人格の形成を目指しています。

ボーイスカウト日本連盟HPより引用


ボーイスカウトの名前は昔から知名度があり、友達が活動していたという方も多いのではないでしょうか。
実際のところ、当HP委員会の2名も経験者でありました。
ともかく、何も知らない訳ですので、ボーイスカウト日本連盟に出向いて、いろいろ調べてみることにしました。

ボーイスカウト日本連盟の事務所は東京の杉並区下井草にあります。
そこへスカウトライブラリーという資料館が併設されており、予約をとりつけ、そこへ伺うことにしました。
資料館や図書館ではなく、ライブラリーと横文字なのが外国由来といった感じです。


ボーイスカウト日本連盟 立派な建物です。


ウエルカムボードまで用意されていて、盛大な歓迎を受けてしまいました。

そこには日本連盟の方と、四谷地区のボーイスカウト活動に昔から携わっている方が我々を出迎えてくれました。
今現在は新型コロナの影響もあり、事前予約のみでの入場となるようです。


早速、ライブラリーで日本におけるボーイスカウトの沿革を簡単に調べてみます。


1907年 イギリスにおいてロバート・ベーデン=パウエル陸軍中将が少年向けの偵察、斥候術の本を著した。
     これを基にスカウト教育法を主とした活動がはじまる。

1911年 乃木希典大将がロンドンでロバート・ベーデン=パウエル卿と会見。

1921年 皇太子殿下(後の昭和天皇)がエジンバラでロバート・ベーデン=パウエル卿謁見。

1922年 少年団日本連盟創立

1923年 関東大震災でスカウトが奉仕活動展開

1949年 全日本ボーイスカウト大会を開催 3500名が参加 皇居前広場。

1956年 軽井沢において日本ジャンボリー開催(最大行事である連盟主催のキャンプ大会)

以降、現代へと続く。



格好などから軍隊などの主導による兵隊の予備軍などと安易に想像しがちですが、それは全く違うらしく、
少年達をこの訓練の経験を基にして、精神的、心身的に、信念をもった人間になってほしいという、日本武士道にも通ずる理念があるようです。

この理念に当時の皇太子殿下が大変に感銘し、この運動はゆくゆくは世界恒久平和の礎となるであろうと、積極的に日本での活動への携わったものと思われます。

今回依頼のあった写真の四谷皇国少年団とは、このころの草の根のようなローカルな少年団のひとつであり、このような活動が全国的に無数に存在し、
それがやがて束ねられて日本ボーイスカウト連盟の誕生へと継った訳ですね。


現在、四谷四丁目はボーイスカウト東京、新宿第4団の方々が活動をされています。
当町会では毎年の正月、大木戸公園において元旦祭を行いますが、それには欠かせない催しとして国旗掲揚があります。
この掲揚式を行ってくれるのが第4団の方々なのです。 いつもありがとうございます。


元旦祭、国旗掲揚の様子


余談ですが、使われるポールは1964年の東京オリンピック時に使用したのを当町会が譲り受けたものです。 
当町会の現町会長もボーイスカウトに加盟していたとの事で、いかに地元に根づいた活動が全国各地で行われていたかが分かります。

調査後しばらくして、今回の依頼主である山本さんとお会いする事ができました。 
山本さんの独自の取材の資料の数々やご親族の四谷と少年団の関わりについてもじっくりとお聞きする事が出来ました。
当時の時代背景や、皇族との関わり、四谷の古い写真など、どれも大変興味深いものばかりでした。


ご自身の親族の伝記を、地域の歴史と当時の時代背景を交えて著書にまとめている最中の依頼でした。

我々も小さな活動を脈々と続ける事で、やがてはそれが大きな財産となる事を信じ、これからも頑張っていきたいと思います。

以上


四谷四丁目ホームページ委員会
[編集・構成:HP委員  監修:HP委員会]  Copyright(C) 2007 Yotsuya-Yonchoume All Rights Reserved.